michinoku GPz1100 project

2016年、海の向こうは秋田よりエンジンオーバーホールの依頼を受けスタートしたみちのくGPzプロジェクト、

最初のうちはやらかしてしまったヘッドの修理(笑)程度だったのですが、

メールにてやり取りをするうち、これまでの経緯とオーナーの身の上話(笑)の中で、そもそもスタートが間違っていたと判断、

自分のドルフィンと同じGPz1100ベースってコトもあり、使用するピストンそのものから仕様変更してはどうかとなり、

オーナーには田沢湖の底(423.4m)に身投げしてもらう覚悟を決めてもらった次第。

ま、自分も支笏湖の底(360.1m)に付き合う覚悟でピストンそのものの製作を打診、GOサインが出ちゃったんだな。

当然、今までに無かったモノを組むのだから、やることはやんなきゃいけないワケだし、

そもそもGPz1100ってエンジンとは?みたいなトコロまで掘り下げます。

絶対儲かんねーよな、と知りつつもドルフィンのエンジンのデーター取り(笑)と言う大義名分の下、

やるならやるしょ!の時間外労働ラッシュ、何度も朝刊が届く「ゴトゴトッ」って音を聞きました(笑)。

 

でもその実、ホントに楽しかったし、GPzに限らずともすごく勉強にもなったプロジェクトでした。

…でした…?

おそらく、GGSカタナ、6発様同様、今後も続く可能性大、なんですが(笑)。

ココでは過去の PBC NOW の抜粋をベースに加筆していきますので、興味があるヒトだけたまに覗いてみて下さい。

30年も乗ってていまさらだけど、GPz1100って結構すごいオートバイですよ。

 

2016年初夏に打診を受け、秋に秋田より入庫したGPz1100、


エンジン完成直後。まさに漆黒の宝石。かもし出るモノは確かにあります。

なんとか2017年、GWに走れるタイミングで完成し、秋田に納車してきました。

でも全ての外注が上がって後はウチ次第となったのは3月末日、エンジン始動が4月6日…

それもテンショナー作ったり、マフラー加工やら周辺パーツの手直し等含めて…

さらに言わせてもらえば、今回はSOHCエンジニアリングさんによるオーダーピストンを使用、

今までなかったピストンなので当然、測定やら下準備は他の定番パーツよりはるかにヤルことが多くなります。

長い冬とは言え、早めに手を掛けないと間に合わないのは全ての工程を自分だけでコントロールできないから、ってのもあるのですよ。

以下、外注前の下準備をざっと。

当初修理予定だったヘッド(それも2個)はどちらも「う〜ん…」でしたが、

たまたま手に入ったと言う、ついでの発掘ヘッド(笑)を見るや、「コレでしょ!」となりました。

手が入ったベッピンさんよりもね、生まれたままの素朴な素性に惹かれるのよ。オッサンは(笑)。

で、さっそく。

思った通り、コレでも自分にとってはサイコーのヘッドでした。

 

よくあるヤツね(笑)

 

キレイにして現状確認

 

シリンダーはライナー抜いて現状確認して発送。ターカロイライナー製作・入れ替え等でSOHCさんへ。

  

ヘッドは燃焼室やってポーティングしてバルブやって、これも内燃機屋さんへ。

 

ピストンとライナーは年末ギリギリに完成(早いっ!)して各測定、観察(笑)。30年前のエンジン用でも、ピンの潤滑とか、設計そのものが最新です。

モチロン製作、完成してからも、どれだけSOHCエンジニアリングの渡辺さんとオハナシしたかわかりません。

電話賃を請求書に乗せないのは、そのほとんどがオジサンにありがちな世間話だったから(笑)?

イヤイヤ、少なくとも当方にとっては渡辺さんとのお話は、お金に換えがたい価値がいろいろ、ホントーにいろいろありまして、

それだけでもありがたいご縁でした。

その内容はココではとても書けませんが(爆)

  

ピストン、ライナーとも素晴らしい出来!触ってるだけでニヤニヤしちゃうし、はやく組みたくてドキドキします。

けど、よく考えて組まないとヤバそう(笑)取説の類はいっさい無し(爆)

「ちゃんとやってね」ってコトですね(笑)。

 

ダミー燃焼室作ってピストンヘッドのボリュームも測っておきます。燃焼室は測定済みなのでシリンダー組んだら実際圧縮比出せます。

ライナー含むシリンダーも各部測定、さすがにカンペキです。

  

ヘッド回りのパーツは熟考して表面処理へ。今回はリフター回りを8気筒のピストンと考え、けっこう手を掛けました。

外注待ちの間にパルサーカバーを17S削り出しで造ってみたり(笑)

内燃機屋さんから帰ったヘッドはチェックして即、塗装へ再出発。耐熱セラコートでいきます。

 

ノーマルカムを使用しますが、ラッピングして各測定。GPz1100、「ノーマルカム」だと思ってナメてるとひどい目に会いますよ(笑)

そうこうしてるうちに、モトラビさんからヘッドが「漆黒の宝石」となって帰ってきました。めっちゃ羨ましい!!!

 

これで全外注完了、ワクワクして組んでいきます。ちょうどこの頃、ツッキーとカーサンは京都へ。

完全に寝るの忘れます(笑)

 

ちょっとだけライナーと干渉するケースの部分を削って、ピストンの準備。リング合口、ピストンクリアランス.05でも、攻めてますね〜。

  

ライナーとシリンダー下部を処理してサクッとシリンダーオン。さすが専用ライナー、C面もキッチリ掘ってあって組みやすいこと!無用なトラブルを避けられます。

  

上死点出してスキッシュ位置確認して、ガスケット厚みから実際の圧縮比を計算。GPzの広い燃焼室でキッチリ出てます!サスガです。

それでコレだけの鍛造削り出しでピストン重量は200g以下。どんなエンジンになるんだ?で、眠気も吹き飛びます(笑)

  

バルブ叩いて手応えできちっとフタが閉まってるのを最終確認。ちゃんとしてるのはわかっちゃいるけど、これだけは自分の手で確認したいの。

他に何やってても、フタが閉まってないと意味無いワケだし、ステムのDLCのカンジも体感できます。

 

DLCリフターと手を掛けたリフター穴のカンジも確認。セット長も合わせておきます。

最初の状態のわりに素晴らしいヘッド、カムホルダーにはひとつもヘリサート入りませんでした。

ちゃんと締めて、ちゃんと緩めれば、そうは痛まないですよ。今までほとんど触られてなかったのでしょう。ラッキーです。

  

ノーマルのテンショナーも悪くは無いんですが、やっぱりちょっとバックラッシ(?)があるのでバルタイをきちっと見る上でも作っちゃいます。

お安いのも売ってるんですがね、も、部品待ちすらもどかしいので(笑)

クリアランスとってバルブタイミングの確認。特工を作ってピストンとバルブのクリアランスも確認。かなりキてます(笑)が…

ここでGPzの特異性で悩みます。ノーマルのタイミングがZ系としてはかなり特殊。やっぱりGPz(1100Rと)だけは別のエンジンとするべきか。

ヨシムラのST1、ST2、貴重なGPz用ST1のデーター等もあちこちで教えていただき、

ピストンとバルブのクリアランス、ドルフィンのフィーリングも考え、結局、安全とデーター収集の目的もあり、

ノーマルタイミングでスタートする事にしました。このあたり自分の経験値不足を痛感しました。

近々にドルフィンでイロイロ試してみてフィードバックしたいと思います。

カムカバー裏のスライダー分の進みも考慮に入れ、ノーマルのバルブタイミングをオンマシン(1ミリリフト)でキッチリ記録し、「がんばれよっ!」ってコトで、閉じます。

手でクランク回しても「おおっ!」ってのが伝わりますね。最後にオイルパンフタしてエンジン完成!こりゃ楽しみ!なんですが…

キャブ、キタネー!セッティングも「何じゃこりゃ…」で、がーっと…

 

持ち込まれたエキパイ…干渉するからなんとかしといて、とは言われてましたが、すっごい付かない(爆)

ぶった切って削って合わせて、これもがーっと…

  

点火時期もウオタニSP2の青箱…これは結構勉強してたのでエンジン仕様から推測して初期設定。

オイルラインやらクーラーステー等もだだだと手直しして、バッテリー繋いでオイルを充分回して、プラグとガソリンチェックして〜の…

「ドンッ!」


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あっけないほどにツラっと火が入りました(嬉)。お〜スゲー排圧、しっかりとしたアイドリングです。

モロモロ微調整して、テストラン、テストラン〜♪とワクワクしながら車体チェックしてると〜

あれ?…

キーッ!ってなってガーっと(笑)

  

  

  

説明省略(笑)春まだ浅い日差しの下へイザ!

うお〜!これが組んだばかりのエンジンなのか?ってくらいのウルトラスムーズさ!それもちゃんとトルク感アリ。

それがさらにどんどん加速していくのがわかります。

ホントはゆっくりその変わりゆく感触を楽しみたいのですが、今回は時間がありません。みちのくではここより先に春が来ているはずです。

ある程度カドが取れたあたりで初期セッティング。多少意地悪をしても問題ないレベルまで。その後増し締め。

 

で、個人的に一番気になっていたドルフィンとの違い。

排気量こそ違いますが、両車ノーマルカム、FCR35、ピストンのスペックでどんな違いが感じられるのか?

まだ全開にしていないし、おそらくみちのくGPzは7000rpmから上がその本領っぽいですが

先ずは「GPz1100」です…水冷4バルブみたいな(謎)。コレはけっこう意外でしたね。


(Click to You Tube)

でも手応えは充分、本来ならナラシを終わらせて全開調整までいってから、が理想なのですが、この時期にんなコトやってたら夏になるし、ウチがつぶれます。

ちょっと余裕を持たせたセッティングとし、育てるのはオーナーさんにお任せして、どこかでもう一度診させてもらいます。

車体周りも一通り診たいですしね(笑)ホントの姿はその時までとっておきましょうか。

モチロンこの時点で「全然ダメじゃん!」と思われたとしたら、そこまで、と取られても納得するレベルにはしたつもりです。

遠隔地の依頼のツライところです。

 

で、店を3日閉めて(2日は定休日)秋田に無事直接納車。

 

ついでにみちのくの名湯で英気を養ってきましたとさ(笑)

秋田サイコー!!!

やっぱ、その後のインプレッションも含め、Stage2、3と続く気配濃厚です。

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